2023年10



☆生前贈与加算が3年から7年に延長されます

生前贈与加算」とは、亡くなった被相続人から生前に贈与を受けていた場合、相続税の計算ではその贈与はなかったものとして、相続財産に加算して相続税の計算を行う制度です。
現行では、生前贈与が行われて3年以内に贈与者が亡くなった場合に限り、生前贈与加算が行われていました。

しかし、2023年度税制改正により、生前贈与が行われて7年以内に贈与者が亡くなった場合に、生前贈与加算が行われるようになります。

今回の相続税の税制改正内容は、実際には2024年1月1日以降の贈与から適用されます。それまでの贈与については、今までどおり、相続開始前3年以内の贈与のみ生前贈与加算の対象です。少しややこしいですが、2024年1月1日以降の相続から、突然7年前の贈与が生前加算されるという意味ではありません。加算年数は段階的に延長されるため、3年以上になるケースは2027年以降であり、7年加算が適用されるのは2031年1月以降に相続が発生した場合とされています。また、相続開始前4年から7年の間の贈与(延長となった4年分)については、相続財産へ加算するときに100万円を控除できるとされています。

このように、生前贈与加算の考え方が複雑になるので注意が必要です。