2016年10



外貨建て預金

先日、友人から「銀行に個人で預けているドル建ての定期預金が満期になったんだよ。これをそのまま別の銀行のドル建て定期預金にしたんだけど、確定申告の必要あるかな?預けたのがだいぶ前なので、円建てで考えるとだいぶ利益が出ているんだよね。」といった質問を受けました。

今回のケースでは為替の利益部分につき、確定申告をする必要はありません。原則として、個人で外貨建ての取引をして為替の利益が出た場合には、雑所得として確定申告をする必要があります。ただし、所得税の政令に「同一金融機関」に「同一の外国通貨」で「継続して預け入れる」場合には外貨建ての取引には該当しないこととされています。今回は他の金融機関に預け替えたものですが、金額の増減もなく、保有状態にも実質的に変化がないことから、同じように外貨建て取引とはされず、為替の利益も申告しなくて良いことになります。

なお、いったん円に換えてしまった場合は、雑所得として確定申告をする必要があります。また、ドル建て定期預金をユーロ建て定期預金に変える場合等も同様です。このような場合、金額が少ないときには申告が不要になる特例もあるのですが、該当する場合は注意しましょう。