年初なのに年末調整
先月は「年末では無いのに年末調整」の記事を掲載しましたが、今月は年初に行う年末調整の話です。
年末調整は「その年最後に給与等の支払いをするとき」にしますので、先月の通り、死亡退職・出国の場合にはその時点で処理が行われます。それでは、その年最後の給与等の支払いの「後」に扶養親族が増減した場合はどうなるのでしょうか。
この場合、年明けに年末調整のやり直しをすることができます。子供が生まれたり結婚したりして扶養親族が増えた場合、会社に「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出し、再計算をすることができます。この場合、還付額が増えますので、追加でお金が戻ってきます。なお、子供が生まれた場合の扶養親族増加ですが、税制改正により平成23年から16歳未満の扶養控除が廃止となりました。子供手当て支給の関係ですね。平成15年7月の当HP記事にあるように、以前は「年末に生まれた子供は親孝行」とされていましたが、今後は税額に影響は無くなってしまいました。また、子供が年末に結婚して扶養から外れることがあります。こちらも年末調整のやり直しとなります。この場合は追加で税金を徴収しますので、必ず手続きを行わなくてはいけません。手続きをしない場合、結婚した相手先でも扶養に入ったときは2重の控除になりますので、追って訂正の必要が出てきます。
上記のほか、年末に健康保険料や国民年金を支払った場合等、他の所得控除に異動がある場合にもやり直すことができます。これらは確定申告でも手続きできますが、できれば年末調整等で簡単に還付してほしいところですね。戻ったお金を新年早々ムダ使いしないように気をつけましょう。
(参考:所得税基本通達190-5)
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