2004年6月


親族に支払う給与

先日、個人事業主として事業(小売業)を営んでいる私の知り合い(青色申告者)からこんな質問がありました。「最近仕事が忙しいから、日曜日だけ高校生の娘をアルバイトとして雇いたいのだけど、支払ったアルバイト代は経費になるの?」と言うことでした。

答えはNOです。所得税法では、同一生計の親族に給料を支払ったとしても、原則として経費には認められません。ただし、次の要件の全てに当てはまる場合には、その支払った給与の金額を必要経費に算入することができます。

1. 支払を受ける者がその事業に専ら従事していること。

2. 所轄税務署長に「青色事業専従者に関する届出書」を提出していること。

3. 支払をする給与の金額が、上記届出書に記載されている範囲内であること。

4. 支払った給与の金額が労務の対価として相当であること

5. その他

・ 給与の支払を受ける者の年齢が16歳以上であること(その年の年末時点)。

・ 労務に従事した期間がその年における労務可能期間の2分の1相当期間以上であること。

上記の内一つでも欠けている場合、支払った給与を必要経費に算入することはできません。今回の場合、仮に書類の提出が整っていたとしても、娘さんは高校生ですので上記の要件の1番には該当しません。よってこの適用はありません。

注;白色申告者の場合には上記と扱いが異なりますので、ご自身で疑問に思う方はご相談ください。